名馬セイウンを創った男・西山茂行の半生とウマ娘コラボの裏舞台
西山 茂行――その名を聞いて、競馬ファンなら誰もが胸を躍らせる伝説の勝負服「黄、青赤袖、黄鋸歯形」を思い浮かべるだろう。日本中央競馬会(JRA)の名物オーナーとして長年にわたる功績を誇り、日本の競馬産業の発展とともに歩んできた人物である。彼が語る競走馬への愛と独自の経営美学は、古くからのファンだけでなく、新たな世代の競馬フリークをも惹きつけてやまない。
競馬界の酸いも甘いも知り尽くした西山 茂行氏の歩みは、日本のスポーツ・競走馬文化の変遷そのものだ。偉大な先代から受け継いだ伝統を守りつつ、時代の変化を敏感に察知して新たなファン層を受け入れてきた柔軟性こそ、彼の真骨頂と言える。
偉大な父・西山正行から受け継いだ「西山牧場」の血脈と執念

西山茂行氏の原点を語るうえで、父である西山正行氏の存在を外すことはできない。戦後の混乱期から事業を興し、北海道に「西山牧場」を開設して日本屈指の馬主王国を築き上げた先代の情熱は、息子である茂行氏へ脈々と受け継がれている。
かつて西山牧場は、オーナーブリーダー(自社生産馬主)のパイオニアとして競馬界を席巻した。自家生産馬で大レースを制するこだわりは、効率重視の現代競馬において異彩を放つ。父の背中を追いかけた少年時代から、莫大なリスクと背中合わせの牧場経営を引き継ぐまでの軌跡には、血統というロマンに命を懸けた男たちのドラマが詰まっている。
伝説のクラシック二冠馬セイウンスカイと天才少女ニシノフラワー誕生秘話

西山家の勝負服を全国に知らしめた至高の名馬といえば、セイウンスカイとニシノフラワーの2頭だ。1990年代の競馬黄金期、彼女たちが魅せた走りは今なおファンの語り草となっている。
1998年、スペシャルウィークやキングヘイローら強豪がひしめく「最強世代」のクラシック戦線において、セイウンスカイは鮮烈な逃げ脚で皐月賞と菊花賞の二冠を達成した。世界レコードを叩き出した菊花賞の逃走劇は、西山氏の「他人の真似はしない」という勝負哲学の体現でもあった。一方、1992年に桜花賞とスプリンターズステークスを制したニシノフラワーは、圧倒的なスピードで世代の頂点に君臨。自家生産の血統から誕生した奇跡の2頭は、西山茂行という馬主の名を確固たるものにしたのだ。
『ウマ娘 プリティーダービー』とCygamesが引き寄せた奇跡のコラボ舞台裏
ゲームアプリ『ウマ娘 プリティーダービー』の大ヒットは、競馬界とアニメ・ゲーム文化を繋ぐ巨大な架け橋となった。その旋風の中心で、絶大な支持を集めたのが西山茂行氏だった。
ゲーム開発を手掛けるCygamesからのオファーに対し、西山氏は二つ返事で快諾したわけではない。過去の名馬たちの名誉や、競馬という伝統あるスポーツへの敬意が守られるのかを慎重に見極めた。しかし、ゲーム制作陣の真摯な熱意と馬への深い愛を感じ取った西山氏は、セイウンスカイやニシノフラワーのキャラクター化を公認。結果として、かつてターフを沸かせた名馬たちが令和の時代に新たな命を吹き込まれ、若者たちが競馬場へ足を運ぶ大きなきっかけを作ったのである。
アメーバブログとX(旧Twitter)で発信する名物馬主の「飾らない素顔」
西山氏の魅力は、馬主という敷居の高い存在でありながら、ファンとの距離が極めて近い点にある。彼は日常的にアメーバブログやX(旧Twitter)などのSNSを活用し、愛馬の近況や競馬界の裏話、経営者としての日常を率直に発信し続けている。
負けたレースの悔しさも、勝利の喜びも、一切取り繕わずに言葉にするスタイルは、多くのフォロワーを魅了している。「ファンあっての競馬」という信念のもと、SNSに寄せられるコメントや質問に対しても自ら丁寧に応答する姿は、SNS時代の理想的な馬主像として絶大なリスペクトを集めている。
株式会社西山興業を率いる実業家としての矜持とスポーツ・競走馬への愛
馬主としての華々しい一面の裏には、グループ企業「株式会社西山興業」を率いるトップ経営者としての顔がある。ゴルフ場経営や不動産事業など、多角的な事業を展開しながら競馬事業を支え続ける経営手腕は極めて高い。
競走馬の所有は莫大な経済的負担を伴う。事業で得た収益を競馬界へと還元し、文化としての競馬を未来へ繋ぐ姿勢こそ、西山氏の誇りだ。実業家としての冷静な経営感覚と、一人の競馬ファンとしての純粋な情熱。この二つが両立しているからこそ、西山グループの競馬事業は半世紀以上にわたリ発展を遂げることができた。
知られざる真実:名将・西山茂行が切り開く2026年以降の競馬界と未来像
時代が平成から令和へと移り変わり、競馬を取り巻く環境も大きく進化を遂げた。データ分析や海外遠征が当たり前となった現代において、西山氏はなおも「馬と人との絆」を重視する。
2026年の現在も、彼の牧場からは次世代を担う若駒たちが次々とデビューを果たしている。受け継がれた血統を守りつつ、新しい技術やトレンドを取り入れる挑戦は終わらない。知られざる真実として、彼が真に目指しているのは単なる勝利ではなく、次の世代へ競馬の持つロマンをバトンタッチすることなのだ。西山茂行という男の挑戦は、これからもターフに鮮やかな爪痕を残し続ける。 (出典: 西山 茂行(Yahoo!ニュース))