【追跡取材】「意識が飛ぶ」悪夢のグミはどこへ消えたのか? 大阪・ミナミ発「Knockout」狂騒曲とカンナビノイド規制の今
大麻 グミ 大阪 knockout——かつて大阪・心斎橋やアメリカ村の街頭、そしてSNSのタイムラインを騒がせたこのキーワードは、日本の脱法ドラッグ市場における最も過激な局面を象徴する言葉となった。「Knockout(ノックアウト)」と銘打たれた高濃度カンナビノイド含有グミを口にした若者が、激しいめまいや手足の痺れ、意識障害を起こして街頭で倒れ込み、救急搬送される事態が相次いだのは記憶に新しい。
現場となった大阪ミナミの繁華街では警察や麻薬取締部が大規模な立ち入り検査を敢行。ネット上で大麻 グミ 大阪 knockoutに関する書き込みや動画が急増する事態を受け、行政は異例のスピードで関連成分を指定薬物へと追加する措置をとった。しかし、成分の書き換えと規制のイタチごっこは本当に終わったのだろうか。報道の光が届きにくい裏市場の現在地を追った。
「路上で崩れ落ちる若者たち」——ミナミの夜を襲った異変の証言

「友人が一口食べた直後、急に目が泳ぎだして動けなくなった」「急激な吐き気と動悸で立っていられず、救急車を呼んだ」——当時の難波周辺では、週末の夜ごとに同様の通報が相次いでいた。
心斎橋近くのクラブ関係者は振り返る。「店の外で若者が何人も倒れていて、最初は酒の飲み過ぎかと思った。だが話を聞くと、近所のショップや通販で買った『ノックアウトグミ』を食べたという。見た目は市販のお菓子のようで、手軽に買える雰囲気が恐怖を助長していた」。
「Knockout」に潜んでいた成分——脳を麻痺させる合成カンナビノイド

いわゆる「大麻グミ」として出回っていた製品の多くには、大麻草に含まれる天然成分THC(テトラヒドロカンナビノール)ではなく、化学的に構造を改変した合成カンナビノイドや半合成カンナビノイドが添加されていた。
当時多く使われていたHHCH(ヘキサヒドロカンナビヘキソール)などの物質は、天然成分をはるかに上回る強力な精神活性作用を持つとされる。専門家によると、消化器官を通じて体内に吸収されるグミ形態は、成分が全身に巡るまでに時間がかかるため、効き目が出ないと感じて過剰に摂取(オーバードーズ)しやすい危険な特性を持っていたという。
スピード規制と行政の踏み込み——法改正へとつながった波紋

相次ぐ健康被害に対し、厚生労働省の薬事審議会は矢継ぎ早に成分の特定と指定薬物への追加を進めた。従来の個別成分指定では、分子構造をわずかに変えた類似成分がすぐに登場するため、構造の類似性でまとめて規制する包括規制の適用範囲拡大が議論された。
大阪府警や麻薬取締部による店舗への立ち入り検査も強化され、店頭からの回収や販売停止命令が相次いだ。一連の強制捜査により、実店舗での公然とした販売は姿を消したかのように見えた。
規制の裏で進行する「水面下への潜行」と新成分の影
しかし、法律による規制が強まったからといって、需要と供給が完全に断たれたわけではない。実店舗での販売が難しくなった現在、流通経路は闇サイトや暗号化されたメッセージングアプリ、個人間取引(P2P)へと移行している。
取材を進めると、規制対象となった成分の代わりに、まだ法的なグレーゾーンに位置する未知の合成カンナビノイドや、未検査の化学物質が「新世代プロダクト」として取引されている実態が浮かび上がった。パッケージのデザインこそ巧妙に変更されているものの、危険な効き目をアピールする販売手法は以前と変わっていない。
「合法=安全」の誤解が生むリスク——若者を惹きつけるSNSマーケティング
「合法だから大丈夫」「最新のトレンドアイテム」といった甘い言葉が、SNS上のインフルエンサーやアフィリエイターを通じて拡散されたことが、被害拡大の大きな要因だった。
専門家は強く警告する。「『法に触れない』ということは、決して『体に害がない』ことを意味しない。むしろ、臨床試験が一切行われていない未知の化学物質を体内に取り込む行為であり、人体実験と同等のリスクがある」。特に未成年や若年層が、抵抗感なく手に取ってしまう環境がSNSによって構築されていた点は深刻な課題だ。
万が一摂取してしまったら? 医療現場が警告する応急対応
もし誤って未知のカンナビノイド製品を摂取し、体調不良に陥った場合は、直ちに医療機関を受診するか救急車を呼ぶことが最優先される。
「時間が経てば治るだろう」と放置すると、急激な血圧低下や重度のパニック発作、意識障害による二次的な転倒事故につながる危険性がある。自責の念から通報を躊躇するケースも見られるが、命に関わる事態を防ぐためにも早期の医療介入が不可欠だ。行政や専門機関が設置する相談窓口の活用も強く求められている。 (出典: 大麻 グミ 大阪 knockout(Yahoo!ニュース))